【ブラック企業】昔は少なくともブラックではなかった筈だが今は違う!理由は?
1つの会社で長く働いていると、良くも悪くも変化がありますよね。
誰もが好ましく感じられる変化ならば、不満が限りなく抑えられるホワイト企業と今どきは表現されますが、反対に不満が増してしまう変化であれば、表現はブラック企業となってしまいます。
ここでは過去はホワイト寄りの会社であった筈なのに、気が付けばブラック化していた…。
と言った場合の、考えられる『ブラック化の理由』についてを述べてみましょう。
【ブラック企業】昔は少なくともブラックではなかった筈だが今は違う!理由は?
大前提として、『過去はブラック要素が少なく、ホワイト寄りだった』とします。
そのホワイト寄りの企業がブラックに染まる事を考えつつ、あなたの事業所または企業全体に当てはめて改善策を模索してみてください。
1:経営の利益追求
ホワイト企業多くは、起業初期に従業員の幸福や労働条件に焦点をあてていることが多いです。
例えば創業者の経営理念に必ずと言っても良いほどに存在するのが以下の考え。
創業者の起業の原点は
『予想通りに経営が展開できれば関係従業員を裕福に出来る』
といった確信があってからこそ、自身の予算や借り入れなどによって会社を持つに至るわけですね。
つまりは、起業の時点では揺ぎ無い自信があり、同時に自らが引っ張る事となる関係者への生活を守る義務も果たす心構えを持ち、更には確実とも言える成功の確信があるからこそ起業できるわけです。
ところが、経営の問題は日々変化が生じるものであり、時には企業の成長や競争力の維持のために利益を追求し始め、その過程で従業員の福祉を犠牲にすることが無いとは言い切れません。
また、経営陣が短期的な利益に焦点を当てて、ブラック企業化の傾向が高まる場合も少なくないのです。
2:組織文化の変化
例えば世代交代など、リーダーシップの変更や組織文化の変化によりブラック化する企業も散見されます。
例えばこれまでのリーダーは自由度の高い笑顔重視の組織づくりだった事に対し、新しい経営陣や管理層が利益重視や圧力を強調した場合、以前の価値観や倫理を置き換える事に繋がってしまい、これがブラック企業化の原因になることがあります。
この場合の話だと、既存の従業員にとって窮屈な職場環境となるわけですね。
先代は笑顔で顧客と接する事で実行し易い値引きやアフターサービスを良しとした場合、今回はとにかく利益重視という事で一切の値引きを許さず、都度、追加料金が発生するのが最低条件となったとします。
そうなってしまうと、これまでの環境に慣れた従業員にとっては非常にやり難い環境に変化したと感じても仕方がないことでしょう。
3:成長と競争圧力
ある程度成長した企業は、しばしば急速な拡大と競争圧力にさらされる場合があります。
競争社会となると、利点が多い商品を真似る企業が出現してしまい、日本の場合は独占禁止法が定められているので、類似商品の出現や類似営業法の出現等はどうしても避けられない事実ですね。
その結果、従業員を頑張って他企業と戦わせたり、コスト削減を優先させたりすることがあります。
これにより、従業員の負担が増加し、ブラック企業化の見通しが現れることがあるのです。
4:法的規制と労働監督の不足
法的規制や労働監督の不足は、ブラック企業化を助長する先進国の課題と言えるでしょう。
例えばこの頃有名な法律規制と言えば『パワハラ』等のハラスメント問題がブラック化の一因を担っています。
簡単に説明すると、『嫌』と感じる内容を何でもかんでもパワハラと表現する事で、企業全体が是正に乗り出せず、利益に損失を生む事で労働監督者の意味が失われてしまうといった部分ですね。
例えば悪意があって悪さをした従業員に対し、『叱る』という事が容易ではなくなってきている。といった場面も実際にあります。
怒った事に対してそれを『パワハラ』と表現されてしまうと、きちんとした説明が出来ない監督者が責任を抱える事になりますからね。
ましてや法律が相手ともなると、正当な意見すら聞き入れてもらえないと勝手に判断してしまう監督者も少なくありません。
結果、企業が規制を守る動機が減少してしまい、巡り巡って従業員全体の権利が侵害されやすくなるのです。
5:経済的圧力と市場の変化
不景気市場の変化により、企業や収益を維持するために従業員への圧力が増大することが起こります。
誰もが体感する身近な部分を挙げるとすれば、2021~2023年の中で何度も価格高騰が起こりましたね。
今後もしばらくは安定する気配が感じられず、更に価格面の高騰は続くでしょう。
価格高騰は原価・生産費用・管理維持をはじめとする様々な分野に影響し、これを競争力で解消する必要に迫られます。
競争が激化すれば、企業間での摩擦も強くなり、場合によっては従業員の権利が犠牲になることに繋がり、これがブラック化の扉の出現とも言えるでしょう。
6:社会的・文化的変化
社会や社会文化の価値観が変化することで、企業の優先事項が変化する事があります。
たとえば『A』という商品でこれまで企業が長年成り立ってきた場合、その価値観が社会・文化的変化で価値が低くなってしまう場合があります。
今の価値観はAではなく『B』など、別の何かに移るわけですが、この移行のタイミングで企業に『B』の選択肢が無かったり、それに代わる商品が存在しない場合でも当然ながら時間は進みますよね。
こうなると会社は低迷する成績の中で従業員を守っていく事になるわけですが、低迷の中を進むとなれば、保有する従業員の存在そのものの負担に悩む場合が浮き出てきてしまうケースも。
そうなると、場合によっては指名解雇が発生するわけですが、解雇されれば生き抜くために別の職場を探すしかありません。
リストラを受けた当事者としては会社に対して良い印象はまず残らず、『ブラック』という表現すら出て来ないでしょう。
一方で解雇を逃れた生き残り従業員は、残された人数で従来の業務をこなす事になり、その上で会社が生き抜くための方法を模索する事になります。
当然ながら業務は増え、これまで考える事も無かった分野を意識する事にもなるでしょう。
その結果、ブラック企業になることが起こります。
7:経済的危機とリストラクチャリング
経済的に困難な状況に耐えた企業の多くは、過去にコスト削減やリストラクチャリングを行っています。
リストラクチャリングとは企業の経済危機を乗り越える(生き抜く)為に避けて通れない道ですが、代表的な話で言えば減給・ボーナスカット・指名解雇・自社商品の安売り・業務縮小などなどがありますね。
この過程で従業員の労働条件や福祉が犠牲にされ、ブラック企業化の懸念が表れることがありますが、緊急時に関しては、実はそこまで大きな悪い印象を従業員が持つ事はありません。
ブラック企業と表現される企業の多くは経済が回復した後もリストラクチャリングを実施したままの状態で従業員が放置され、言ってしまえば
『人が減らされ、やる事が増え、給料や賞与は下がったまま』
といった悪条件を回復後も続けられる事にあります。
8:経営陣の無知または無関心
経営陣が従業員の状況に無知で有利、従業員の福祉に無関心である場合、ブラック企業化のリスクが懸念されます。
たとえば『バブル時代』と表現された時代によくあった出世話で言えば、
『繰り上げ出世(昇進)』
という言葉がありました。
『年功序列による出世』
という言葉もありましたね。
どういうことかと言うと、『勤続年数が人より長い』という理由で昇進するケースです。
繰り上げ出世に名指しされた本人が会社理念を重視する人物ならば問題はありませんが、中には
『他人に無関心・サボり癖がついている・そもそも仕事を覚える気が無い』
などといった出世対象者も含まれてしまうので、そういった昇格従業員が多いほどに企業成績は時間と共に傾いてしまいます。
【ブラック企業】昔は少なくともブラックではなかった筈だが今は違う!理由は?まとめ
以上、ホワイト企業がブラック企業へと変化する理由をいくつか挙げてみました。
ブラック企業化してしまう理由は企業によって様々であり、場合によっては時代の変化に揺さぶられる事もあって、どうにもならない事もあるにはあります。
ただし、そんな苦境を乗り越えて今なお現存する企業には少なからず成長力と回復力が備わっている筈なので、そういった意味では苦境を乗り越えた後の褒美が待っているケースが多く、これは本質的にはホワイト企業と表現できるでしょう。
ブラック企業とは苦境時にやむなく押し付けられた悪条件を回復後も継続する企業がそれであり、または私利私欲に走り続ける企業がそれにあたります。
唯一のホワイト化の道筋は『その事に気付いてもらう』といった話になるわけですが、ファーストペンギンとなるにはそれなりの勇気が必要ですね。
ただし、好条件にしろ悪条件にしろ、それらを提案して押し付けるのは企業内部の有権者であり、なかなかに進言・提案を行うのは難しでしょう。
しかし、誰も何も不満を言わなければ会社反応は『それで良し』という判断に至ります。
自分の未来を守る為にも、まずは匿名で本心を打ち明けることが出来なければ、ブラック企業で働く自分の未来は文字通り、暗いものとなってしまいますので注意しましょう。
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